アルゼンチンで使われるスペイン語

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世界の中のスペイン語

 スペイン語は、もちろんヨーロッパのスペインで話されている言語として有名ですが、それ以外にもメキシコやグアテマラなどの中米から、アルゼンチン、チリ、ペルー、パラグアイ、ベネゼエラなどの南米まで、世界20カ国が公用語としてスペイン語を話しています。アメリカ合衆国でもラティーノ(在米ラテン系住民)と呼ばれる多くの移民がスペイン語を話していますから、北米でも話されている言語と言えるでしょう。
スペイン語の話者は、現在4億8千万人とも言われていて世界で2番目に話されている言語です。

スペイン語の起源


ローマ帝国時代の公用語であったラテン語をもとに、アラビア語などの影響を受けながら発達した言語であるスペイン語。

 スペインのスペイン語は、主にカスティーリャ地方で発展しました。8世紀から15世紀にかけてのレコンキスタ(再征服)時代に、カスティーリャ語はイベリア半島全体に広まり、最終的にスペインの公用語となりました。この間、カスティーリャ語はアラビア語や他の地方言語から多くの語彙を吸収し、独自の文法と発音を形成しました。

H2 アルゼンチンで話されるスペイン語の歴史
一方、アルゼンチンのスペイン語は、16世紀から始まったスペインの植民地化に伴って持ち込まれました。
スペインのカスティーリャ地方の言葉が基盤となっており、その後、ヨーロッパ諸国からの移民の影響を強く受けました。特に19世紀後半から20世紀初頭にかけてのイタリアからの大量移民は、アルゼンチンのスペイン語に大きな影響を与え、語彙や発音に独自の特徴を加えました。

スペインのスペイン語との違い

 スペインやヨーロッパで使われるスペイン語はカスティーリャ語と呼ばれています。
一方で、アルゼンチンで使われるスペイン語は、銀の川という意味を持つリオプラテンセと呼ばれています。一般的には、アルゼンチンやウルグアイで使われるスペイン語の方言のことを指しています。
しかし、アルゼンチン人達は自分達が使うスペイン語のことを「カステジャーノ」と呼び、スペインのスペイン語とは違うスペイン語を使っています。

どんな部分が違うのかというと、
① 人称代名詞が違う
・tuは使わずvos

② 発音が違う
・「さ」の行を使わない

③ 単語が違う
・後述

④意味の違う使い方をする単語や文法
・後述
・スペインで頻繁に使われる cojer はアルゼンチンでは使わない

という点が挙げられます。

旅行の際によく使われる単語から見る違い

③で取り上げた単語が違う、についていくつか旅行する際に使いそうな単語を紹介します。ぜひ滞在中に使ってみてください。

  • アルゼンチン: auto
  • スペイン: coche

アルゼンチンで「coche」と言っても通じますが、「auto」の方が一般的です。

バス

  • アルゼンチン: colectivo
  • スペイン: autobús

アルゼンチンでは「colectivo」が使われますが、スペインでは「autobús」が一般的です。

ジャガイモ

  • アルゼンチン: papa
  • スペイン: patata

料理の付け合わせによく使われるジャガイモ料理を注文するときに気にしてみてね。
ちなみに、お父さんのことは「papá」、バチカンにいらっしゃるキリスト教の教皇様のことも 「papa」ですので前後の文章や発音には注意が必要です!

トイレ

  • アルゼンチン: baño, toilet
  • スペイン: servicio, baño

お店でトイレを探すときには、両方の表現を知っておくと便利です。
女性用は「damas」、男性用は「caballeros」と記載があるので間違って入らないように注意ですね。

これらの違いはほんの一部です。
まだまだあるので気になる方は探してみてね。

意味の違う使い方をする言葉

スペイン語でよく使われる「coger」。
これは、乗るとか飲むといった言葉で使われる常用動詞ですが、アルゼンチンではスペイン語のクラスに入ると早い段階で「アルゼンチンで『coger』は使わないでね!」と注意されます。

 理由はアルゼンチンで使われる「coger」は「Sexする」という意味になるから。
アルゼンチンでは、乗るや飲むという単語は「tomar」を使います。
少し話をしていれば、発音でこの人スペインのスペイン語を話しているな、というのは聞いている側もわかるので、アルゼンチン人の多くは聞き流してくれますが、中にはびっくりしたりニヤニヤする人もいるかもしれません。
スペインのスペイン語を習っている方は要注意です!

おすすめのスペイン語の本

 2週間という期間滞在するのに必要な単語はどのくらいあるでしょうか。滞在中はさまざまな状況があるのでこれを覚えておけば大丈夫という言葉はありません。

 ブエノスアイレスに来たばかりの頃、もうすぐ任期を終えて日本に帰国するある方から「旅の指差し会話帳」をいただきました。
その方曰く、「スペイン語にとても苦労したけど、最初はこの本のすべての単語を覚えることから始めたよ」ということでした。

日常的によく使う単語や文化などが紹介された本やイラストもかわいくて読みやすい。そして必要な時には指を差して使うということで親しみやすい本です。
2週間ブエノスアイレスに旅行する時、どんなスペイン語の本があったらいい?と聞かれたら、紹介するのはこの本ですね。

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